知っているようで知らない、白色申告・青色申告

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2015.07.23

決算

知っているようで知らない、白色申告・青色申告

個人事業主は1年分の損益を計算し、「確定申告」として税務署に所得と納税額を申し出なくてはなりません。 確定申告には「白色申告」「青色申告」の2種類があり、名称はそれぞれの用紙の色がかつて白や青だったことに由来しています。

白色申告って何?

白色申告とは、事業所得が20万円以上あり、かつ青色申告をしていない人が行う確定申告です。青色申告と違って青色申告特別控除は受けられませんが、白色申告に必要な単式簿記は比較的簡単なため、容易に記入できるという利点があります。 青色申告には申請の手続きや毎年の期限がありますが、白色申告にはありません。節税するほど事業所得が多くない、手間をかけたくない、というような個人事業主向けの確定申告といっていいのではないでしょうか。

新たに課された帳簿の記帳と保存義務

平成26年より、白色申告にも「帳簿への記帳」と「帳簿等の保管(期間5年~7年)」義務が課されました。これまで記帳・保存の義務の対象は、前年度の前々年、または前年の事業所得などの合計が300万円を超えた人でしたが、これによって事業所得や不動産所得、山林所得のあるすべての人が対象となっています。

帳簿に記帳しなければならない項目

  • 売上などの収入金額
  • 仕入や経費に関する事項について
  • 取引の年月日
  • 売上先
  • 仕入先、そのほか相手先の名称
  • 金額
  • 日々の売上
  • 仕入
  • 経費の金額など

保存しておく帳簿の種類

  • 収入金額や必要経費を記載した帳簿
  • 取引によって作成した帳簿
  • 受け取った請求書
  • 領収書など

青色申告では、原則として取引一件ごとに記帳しなければなりませんが、白色申告は簡易な方法での記帳が認められています。 ポイントは売上・仕入・経費を日付とともに記入すること。事業によりますが、いずれも金額が少なければ一日分を合計額として記帳して問題ありません。請求書などで確認できれば、掛売上を仕入先相手先別で分けず、まとめて記帳することができます。 実は帳簿の保存義務に関して明確な罰則はありません。しかし、後述する「推計課税」の対策としても、記載・保存は行っておいたほうが良いでしょう。

記載方法は使用する書類に合わせて!

白色申告を行う人が税務署に提出する書類は「収支内訳書」「確定申告書B」の2種類です。 帳簿の記載方法は簡易方式が認められていますが、収支内訳書と確定申告書Bの書式に合わせて記入しておくと、後の転記が楽になります。

確定申告書Bと収支内訳書

 

白色申告のデメリット

青色申告と比べて申請手続きや期限がなく、帳簿の記載や保存の種類も少ない白色申告ですが、デメリットもあります。 第一は青色申告特別控除が受けられないこと。青色申告では10万円または65万円の控除が受けられます。 また、青色申告では配偶者などが事業に専従した場合に専従者給与が受けられますが、白色では定額の事業専従者控除しか受けられません。

白色申告で注意したいのは「推計課税」です。推計課税とは、税務署の調査の際に所得金額の検討が不可能な場合、納税者の財産債務の増減や収支の状況、従業員数、同業他社との比較などで所得金額を推計し、金額を決定することができる制度です。 白色申告の推計課税は、細かい数字がなく正確な計算がわかりにくいため、実際の所得より課税額が高く算出されてしまうこともあり、注意が必要です。帳簿は必ず記入して保存しておきましょう。

青色申告って何?

青色申告とは、事業所得や不動産所得などがある納税者が取引の状況を正確に帳簿に記載し、それに基づいて所得や税金を申告する制度です。 青色申告を行う場合は、事前に所轄の税務署へ「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。提出の期限は、原則として適用を受けたい年の3月15日まで。土・日曜、祝日に当たる場合はその翌日が期限となります。

ただし、新規に事業を始めた人の期限は異なり、事業開始から2カ月以内に提出しなければなりません。新たに事業を開始する場合、「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出する必要があるので、通常はこの書類の提出と同時に青色申告承認申請書の提出を行います。

青色申告の単式簿記・複式簿記の違い

青色申告は、単式簿記と複式簿記のどちらで帳簿を記入するかで所得の控除額が変わります。単式の場合の控除額は10万円、複式の場合は65万円となります。

単式簿記は白色簿記と同様の簡易方式で、入出金をシンプルに記載するものです。

複式簿記とは一つの取引を原因と結果に分けて考える方式です。この方式で帳簿に記帳する作業を「仕訳」といい、仕訳をもとに売上や経費を記入した「貸借対照表」、年度の終わりの資産を記入した「損益計算書」を作成します。青色申告ではこの2つを決算書として、申告書と併せて3月15日までに提出しなければなりません。

青色申告書

さらに、白色申告と同様に、帳簿や受け取った請求書・領収書を7年間保存する義務があります。

青色申告で受けられる特典

青色申告にはさまざまな優遇措置を受けられるという特典があります。

青色申告特別控除  単式簿記での記入の場合は10万円、複式簿記での記入の場合は65万円の所得税控除が受けられます。複式簿記で帳簿を記入していても、申告書の提出期限に遅れてしまうと10万円の控除しか受けられなくなりますので注意が必要です。

青色事業専従者給与  個人事業主なら、生計を同じくする家族や親族を「青色事業専従者」として届け出ることで、その給与を経費にできます。青色専従者として認められるためにはいくつか条件があるため、それに合致している必要があります。

純損失の繰越・繰戻控除  その年に生じた損失を翌年以後最長3年間繰り越して、翌年以降に発生した所得額(黒字の金額)と相殺することができる制度です。期限内に青色申告を行っていること、損失の発生した翌年以降も連続して申告していることが条件となります。

一括評価による貸倒引当金の特例  青色申告している個人事業主であれば、年末に残っている貸付金や売掛金などの金融債権や売掛債権について、5.5%(金融業の場合は3.3%)の額を貸倒引当金として経費に計上できます。金融債権・売掛債権のすべてが対象になるわけではありません。

上記を一例として、青色申告にはほかにも「減価償却資産の特例」などさまざまな特典があります。事前申請の必要があったり、記述方法が複雑であったりと手間のかかる青色申告ですが、白色申告と比べて節税効果はかなり高いといえるでしょう。

一定の所得が見込める個人事業主は、青色申告の特典を活かすことで節税が可能です。白色申告に帳簿の記帳と保存義務が課されたことで、その手間の差もそう大きくはなくなりました。見込める所得額と申請や記入の手間を比較し、どちらが有利となるかを考慮して確定申告を行うことが重要です。

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