起業準備スケジュール。1年前、半年前、1カ月前に何をすべきか

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2015.08.22

起業

起業準備スケジュール。1年前、半年前、1カ月前に何をすべきか

将来的に起業や独立を考えている方は少なくないと思います。しかし、実際にビジネスを始めるためには、まず準備が必要であることを忘れてはなりません。
起業すると決めたら、資金調達から事務所探し、各種届出や登録、従業員確保、宣伝など、やるべきことは山積みです。やるべきことに追われ、ただ漠然と考えているだけでは不安なうえに、重要な手続きが漏れてしまうこともあります。
スムーズに起業するためには、必要な準備を把握し、スケジュールを立てることが大切です。いつまで、どんな準備をしておく必要があるのか、一般的な流れを解説します。

<目次>

1年前 ~コンセプトを固めよう~

業種・事業形態を決める

起業するにあたって、何よりも大切なのは事業の方向性やコンセプトです。「何のために起業するのか」「どんな事業形態にするのか」「その事業で利益を得られるのか」などが明確になっていないと、その後のビジネスも軸がブレてしまいます。どんなに遅くても起業1年前までには、これらを定めておかなければなりません。

必要な資格や許認可を取得する

法人として開業するのか、個人としての独立か、それぞれのメリット・デメリットを冷静に検討しながら事業形態を決めましょう。事業形態が決まったら、そのために必要な資格や許認可を必ず確認しておくことが必要です。必要な資格や法的許可などで足りないものがあれば、後回しにせずなるべく早めに取得しておきます。

半年前 ~事業を具体化しよう~

事業計画書を作成する

起業コンセプトに基づいた「事業計画書」を作成しましょう。事業計画書の作成は、資金を調達する際にも必要不可欠なものです。どれだけの資金が必要になるのか、どのタイミングまで調達しなければならないのか、事業計画書があってはじめてスムーズに行うことができます。

資金計画を考える

まずは自己資金の洗い出しから始め、必要に応じて借入先を検討します。起業しても事業が軌道に乗るまでは赤字になるかもしれないので、目先の開業資金だけにとらわれず、その先の運転資金まで見越して調達するのがベターです。
資金調達は金融機関からの融資のほか、起業する人向けの助成金や補助金もあるので要チェック。いずれも提出書類が多く時間や手間がかかるため、確実に受給するには十分に余裕をもって準備しましょう。
資金調達については、コラム「起業最初の関門を乗り越えろ!」の「資金調達 ~出資編~」「資金調達 ~融資編~」「資金調達 ~補助金・助成金編~」で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。

起業する場所を選ぶ

たとえば、飲食店や小売サービス業の場合、立地で売上げが左右されるといっても過言ではありません。少なくとも、近隣の競合店やターゲットとなる顧客層のリサーチなどは不可欠です。その他の事業であっても、広さやテナント料だけではなく、交通利便性や周辺環境、駐車場を確保できるかなど総合的に判断しましょう。

3カ月前 ~環境を整える時期~

不動産契約、その他の手続きをする

内外装工事を行う場合は、少なくとも3カ月前までには開業場所を確定して不動産契約を結びたいもの。どこまで内外装に手を加えられるかはケース・バイ・ケースなので、トラブルのないよう確認してから進めます。併せて、電気・ガス・水道・インターネットなどの開通手続きを。引き落としなどに使用する事業用口座、会社印などもこのタイミングで作っておくと便利です。

広告宣伝の準備をする

この時期までに「屋号」「営業時間や定休日」も決めておきましょう。開業をお知らせするための広告・宣伝ツールを作成するのに必要です。業種によって違いもありますが、以下のように多くのツールが必要になります。

  • 名刺
  • ロゴマーク
  • 会社案内
  • あいさつ状
  • 封筒類
  • チラシ
  • 看板
  • ホームページ
  • 印鑑 など

従業員を雇う

従業員を使う場合は、必要人数の募集と採用活動を行います。事前に、賃金などの労働条件を明確にしておきましょう。

1カ月前 ~各種届け出を忘れずに~

起業にあたっては、関係各所にさまざまな書類を提出する必要があります。提出期限はそれぞれ異なるので、直前に慌てることのないようしっかり準備しておくことが重要です。

税務署に提出する、主な書類
  • 個人事業の開廃業等届け出書(事業開始の日から1カ月以内)
  • 所得税の青色申告承認申請書(事業開始の日から2カ月以内)
地方自治体に提出する、主な書類
  • 事業開始等申告書(提出期限は自治体で異なる)
従業員がいる場合に提出する、主な書類
  • 税務署に、給与支払事務所等の開設届出書(雇用した日から1カ月以内)
  • 労働基準監督署に、労働保険関係成立届(雇用した日から10日以内)
  • ハローワークに、雇用保険適用事業所設置届(雇用した日から10日以内)

備品の購入、仕入れの確認

さあ、いよいよ開業です。事業に必要な設備機器や備品を搬入し、開業のシミュレーションを始めましょう。消耗品なども含めて準備はできていますか? 仕入れルートや外注パートナーとの手順に間違いはありませんか? スタッフの動きは大丈夫ですか?

 

まとめ

起業までには、これだけ多くの「やるべきこと」があります。起業前後は何かと忙しく、次から次へとやることが出てくるので「ついうっかり」が起こりがちです。準備計画が大雑把だと、無駄な動きをすることになって非効率なうえ、焦りや不安を増幅することにもなりかねません。「この日に開業する」と決めたら、そこから遡ってスケジュールをきちんと作成し、ひとつひとつチェックしながら進めていくことが大切。税理士の開業支援サービスを利用するなど、専門家に相談すればさらに確実です。

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