起業最初の関門を乗り越えろ! 資金調達 ~融資編~

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2015.08.07

起業

起業最初の関門を乗り越えろ! 資金調達 ~融資編~

資金調達は起業するうえでの第一関門であるといえます。事業計画を立て、資金がどれくらい必要なのかを把握したら、いよいよ資金調達です。
出資や融資、補助金など、起業時の資金調達方法はさまざまですが、それぞれどんな特徴があるのでしょうか。
前回の「資金調達 ~出資編~」に引き続き、今回は「融資」による資金調達についてご説明します。

<目次>

銀行からの融資は時期尚早

銀行から資金を借り入れることで資金を調達する方法です。経営時の資金調達方法としては非常にメジャーですが、起業時には向きません。
銀行から資金を借りるためには、銀行側が融資を回収できると思えるだけの事業計画が必要になります。しかし、創業前(あるいは創業間もない)会社の場合はそれ以前の問題で、そもそも信用がありません。特に大手の銀行にいえることですが、設立前後の会社に対して融資をすることはほぼないといっていいでしょう。

信用金庫からの融資もまだ早い

信用金庫から借り入れることで資金を調達する方法です。信用金庫は地域に密着しているため、銀行であれば相手にしてくれない規模の起業に対しても小さな融資を行ってくれます。また、大手銀行とは異なり、極端な貸し渋りや貸し剥がしを行うこともありません。比較的融資のハードルは低めであるといえます。
ただし、企業の信用の問題があるため、銀行からの融資と同じように、起業時の資金調達方法には向かないといえます。

低利で受けられる制度融資は、時間はかかるがお薦め

日本全国47都道府県にある「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、自治体の斡旋で金融機関から融資を受ける資金調達方法です。「自治体」「信用保証協会」「金融機関」の3者によって成り立っている、中小企業の資金調達を円滑にするための制度であるといえます。

借入金の上限は事業計画や自己資金などで決まりますが、約1~2%の低利で1,000~2,000万円程度の融資が受けられます。内容は自治体によって異なるため、制度融資の利用を考えている場合は信用保証協会か自治体の相談窓口に問い合わせてみましょう。支払利息や保証料を一部負担してくれる自治体もあります。
信用保証協会が貸倒れのリスクを負ってくれるため、もし返済できなくなった場合は、信用保証協会に借入金を返していくことになります。

制度融資を利用する基本的な流れは、まず信用保証協会から保証の承諾を受け、自治体の窓口を経由して、金融機関から融資を受けるというかたちが一般的です。

制度融資のメリットは、実績がなくても申請できる点です。また、経営相談といった対応もしてくれるため、起業時の資金調達方法として有用といえるでしょう。

ただし、後述する日本政策金融公庫の「新創業融資制度」よりも審査期間が長い点、支払利息のほかに保証料が発生する点には留意する必要があります。

新創業融資制度はぜひ検討したい資金調達方法

日本政策金融公庫には「新創業融資制度」という創業者向けの融資制度があります。日本政策金融公庫は政府が100%出資の、税金によって運営されている金融機関です。

日本政策金融公庫には「新規開業資金(新企業育成貸付)」や「女性、若者/シニア起業家支援資金(新企業育成貸付)」といった創業者向けの制度もありますが、新創業融資制度はこれらと違って保証人や担保を必要としないため、起業時の資金調達方法としては非常にありがたい制度だといえます。

融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)。利用するには要件を満たす必要がありますが、前述した「制度融資」より審査期間が短いため、起業時の資金調達方法としてのデメリットはほぼないといえます。

「新創業融資制度」を利用するための要件

融資を受ける際の審査項目は、「経営者としてのノウハウ」「自己資金」「使いみち」「返済の可能性」の4つに大きく分類できます。

  • 経営者としてのノウハウ
    起業する業種にどれだけ従事していたかという部分を審査されますが、初めて起業する場合は当然経営実績がないので、これまでの経験をもとに判断されます。「新たに始める事業と同じ業種に6年以上」従事していることが「経験」の基準となりますが、これは絶対ではありません。ほかの業種でも、近い経験を積んできたことを説明できれば、要件を満たしたと判断される可能性があります。

  • 自己資金
    創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要になります。もちろん審査されるため、借入金で対応することはできません。

  • 使いみち
    事業開始時、または事業開始後に必要となる事業資金として利用されるかどうかの審査です。事業計画書などに基づいて確認されます。

  • 返済の可能性
    経営者自身もお金を返済できる人なのかを審査されますが、毎年の税引き後の利益が返済額よりも大きくなっているかなど、事業計画書なども確認されます。

マル経融資の借り換えも視野に入れてみよう

マル経融資は商工会議所の推薦で受けられる融資です。上限金額2,000万円で無担保・無保証、さらに利息が低いのが特徴ですが、創業から1年以上の実績が必要であるため、起業時の資金調達としては使えません。

ただし借り換えができるため、起業時の資金調達で「制度融資」や「新創業融資制度」を利用した1年後、低利のマル経融資にシフトさせることも可能です。

※融資限度額2,000万円の取扱いは平成28年3月31日の日本政策金融公庫受付分まで

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