費用だけで税理士を選ぶのが危険な理由
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2015.08.14
起業
費用だけで税理士を選ぶのが危険な理由
税理士との契約を考えるとき、あまり費用をかけたくないという経営者は多いでしょう。どの税理士事務所のサービスも似たり寄ったりで、結局「安いほうに」と考えがちです。
しかし、費用の安さで税理士を選ぶという行為には、会社の損失につながるような危険が潜んでいることもあります。今回は、なぜ費用だけで税理士を選んではいけないのかについてご紹介します。
<目次>
Contents
税理士報酬規定の撤廃で費用の「基準」がなくなった
税理士報酬の基準として、かつては税理士法で定められた「税理士報酬規定」というものがありました。そこには顧問料の最高限度額が定められていたため、税理士だけでなく、多くの経営者も税理士と契約を結ぶ際の参考にしていました。
しかし、平成14年3月に税理士報酬規定は撤廃されました。これが税理士同士の価格競争の引き金となったといえます。
それまで「先生稼業」と認識されることも多かった税理士の仕事は、現在、完全な「サービス業」へと転換しました(なかには時代遅れの「先生」もいますが、そのような税理士は論外です)。税理士の業務を細分化し、それぞれの税理士や事務所がそれぞれ異なった金額でサービスを提供しています。費用が安いに越したことはないため、経営者にとって税理士間で価格競争が起こっているのはよいことです。
ところが、税理士報酬規定の撤廃は、経営者に弊害ももたらしました。それは、税理士との契約を考えるうえでの費用の相場、基準がなくなったということです。
費用の「相場」はあくまで「目安」にしよう
以下に、高橋彰税理士事務所の標準料金を示します。
■月額顧問料金と決算・申告料金の相場(税抜き表示、単位:円)
年商 |
月額顧問料金 |
決算・申告料金 |
|
消費税申告なし |
消費税申告あり |
||
1千万円以下 |
15,000 |
100,000 |
120,000 |
1千万~3千万円 |
20,000~30,000 |
100,000~120,000 |
120,000~150,000 |
3千万~1億円 |
25,000~40,000 |
120,000~200,000 |
150,000~300,000 |
1億円~3億円 |
40,000~60,000 |
200,000~250,000 |
250,000~350,000 |
3億円~5億円 |
50,000~80,000 |
250,000~300,000 |
300,000~400,000 |
5億円~10億円 |
70,000~ |
270,000~ |
300,000~ |
10億円超 |
100,000~ |
350,000~ |
400,000~ |
上記の表は、あくまで当事務所を利用した場合の費用の相場です。
インターネットで調べてみると、「税理士報酬の相場」を掲載しているサイトはたくさんあります。税理士の費用を知りたい人は、検索してみてください。いくつか閲覧するとわかると思いますが、それぞれの「相場」には違いがあります。
たとえば、年商1千万円以下の法人の場合、当事務所では約15,000円が費用の相場になります。しかし、これが「20,000円~」や「25,000円~」と記載されていることもあるのです。もちろん年商が上がっても、それぞれの相場には開きが見られます。
つまり、税理士の費用を考えるときの「絶対の基準」はないということです。サイトや書籍などで税理士報酬の相場を目にする機会があっても、ひとつの「目安」という考えに留めたほうがよいでしょう。
安さだけで税理士を選ぶと、後々とんでもない目に遭うことも
税理士の費用には、「高ければよい」「安ければよい」という考えは当てはまりません。どんなに安くても、少しも会社の経営に貢献してくれないような税理士ではいけないし、反対に、料金以上に会社に貢献してくれる税理士であれば、費用が高くても問題ありません。
しかし、「安い」というのは魅力です。経営者は、ついつい費用のかからない税理士と契約しがちだといえます。しかし、安さだけで税理士と契約した場合、後々大きな損失につながることもあります。
金額で税理士を選んだら予定外の費用が
Aという税理士事務所があったとします。とにかく安い費用で帳簿を作成してくれる税理士を探していたある経営者は、Bと同じサービス内容なのに非常に低価格だったAと契約することにしました。
経営者は特に疑問を感じないまま、日々会社の経営に当たっていました。ある日、税務調査が入りました。経営者は、調査官に帳簿作成のずさんさを指摘され、はじめて安い税理士を選んだのは間違いだったと気付きます。
Aは、薄利多売を方針とする税理士事務所でした。安い人件費で多くのアルバイト(未経験者)を雇い、数百社分の記帳をさせていたのです。税理士は1人しかいなかったため、すべての会社の帳簿をチェックすることなど不可能でした。結果、素人が作成した帳簿を調査官の目に晒すことになってしまいました。
さらに、未経験のアルバイトが記帳していたため、「これは経費に含められる」といった判断ができず、税理士が作成していれば減らせたはずの税金を多く払っていたのです。税理士にかける費用を少なくしようということだけを考えた経営者は、結局、税理士事務所Bとの差額以上の税金を払うことになりました。
この話はたとえですが、こうした経営戦略を持つ税理士は少なからず存在します。もちろん、安くても良質なサービスを提供している税理士もたくさんいます。税理士事務所を開業したばかりで、まだ顧問先も少ない若手のなかには、安い費用でも熱意のこもった仕事をしてくれる人もいるでしょう。
ただし、それがすべてではありません。費用だけで税理士を選ぶ行為には、大きな危険が潜んでいるかもしれないのです。
まとめ
費用が基準にならないとすれば、一体何を根拠に税理士と契約すればいいのでしょうか。それについては、コラム「【税理士が教える】「企業に合った税理士」の選び方」で詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
費用で税理士の良し悪しは決められませんが、報酬が高いにせよ低いにせよ、税理士が提示する費用とそのサービス内容が適合しているかを、経営者は十分に考慮する必要があるでしょう。
もし、ほかと変わらないサービスを低い料金で提供している税理士がいて、契約を視野に入れている場合は、税理士本人に「なぜ低い料金でできるのか」を遠慮なく聞いてみましょう。よく理解できなければ突き詰めて質問し、それでも納得できる答えが返ってこなければ、検討し直したほうがよいかもしれません。
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