余命宣告を受けた場合にも可能な相続対策はあるのか
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2022.03.31
相続
余命宣告を受けた場合にも可能な相続対策はあるのか
突然余命宣告を受けると
相続対策は早いうちにやっておいた方がいいのはわかっています。でも実際は税金の仕組みを調べることや専門家を探すことが面倒であり、何も進んでいないケースが多いのではないでしょうか。ある日突然、がんなどで医師から余命宣告を受けた場合、一定の財産、借入などがあれば相続の問題が容赦なく襲ってきます。今回は、残された時間が少ない場合でも効果的な対策を取り上げてみました。
生命保険の活用
生命保険金の相続税非課税枠の活用は有効です。「500万円×法定相続人の数」までの金額であれば相続税はかからないからです。例えば法定相続人が妻と長男、長女、次女の場合、「500万円×4人=2,000万円」までは非課税です。
税率30%の場合、単に現預金で持っていた場合にくらべ2,000万円×30%で600万円の税負担の軽減となります。また、生命保険金は納税資金にも利用できるので、まだ非課税枠を活用しきれていない場合は生命保険契約を検討すべきです。
ところで高齢で余命が少ない状況でも入れる保険商品はあるのでしょうか。たとえば、保険料を一括で支払うタイプの「一時払個人年金保険」などがあります。高齢や病気等の理由で一般の生命保険契約が困難な場合でもこの保険であれば健康診断なしでも加入できる商品があるようです。なお、保険契約の内容によっては非課税枠が使えないものもありますし、税制改正などの可能性もありますので税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
教育資金の一括贈与の活用
亡くなるまでに贈与をすれば相続税が減らせるのではないかと思うかもしれません。しかし、相続開始前3年間に行われた贈与はたとえ年間110万円以下であっても相続税の対象となってしまいます。通常の贈与は時間があれば有効な対策ですが、余命わずかな場合はあまり意味のない行為です。だだし孫や、息子の妻など相続人以外の人への贈与は相続税の対象とならないので一定の効果はあります。
もっと有効な制度があります。「教育資金の一括贈与」です。30歳未満の子または孫が、父母または祖父母から教育資金に充てるための費用の一括贈与を受けた場合、1,500万円まで贈与税が非課税となる制度です。受贈者1人あたりにつき1,500万円の非課税枠があるので、孫等が多い場合は節税効果が高いといえます。例えば子が1人、孫が3人の場合6,000万円までが非課税となります。だだし、孫への贈与の場合には相続税が2割増しになる点に注意が必要です。
この制度のメリットは単なる節税効果だけでなく子孫の学識の向上に大きく貢献できる点にあります。単に預金を不動産に換えるといった対策ではなく、実のあるお金の使い方といえるでしょう。習い事などで意外な能力の発見があるかもしれませんね。親の経済状況が子供の学力に大きく影響するような情報が多くみられますが、特に幼少期の教育は重要と思います。
遺言書の作成
「自分にはたいした財産はないから相続対策は必要ない」と思っている人が多いようですが財産があれば必ず相続は発生します。逆に分配する財産が少ないほど争いになるケースが多いのです。遺言書を用意しておけば無用な争いを未然に防ぐことができます。実際、余命わずかな場合に遺言書を作成する方は多いです。「遺言」は万能とはいきませんが、残された家族への思いをかたちとして残し、争いを未然に防ぐことは重要な事です。遺言書の作成はつぎの場合には特に効力を発揮するでしょう。
・兄弟姉妹が相続人となっていて財産は妻だけのものとしたい
・子供のなかで特別に財産を与えたい者がいる(与えたくない子がいる)
・お世話になった相続人以外の人に財産を渡したい、会社を引き継いで欲しい
・先妻の子や後妻の子がいる
なお、「遺言書の作成」は、相続に特化した税理士の助言を受けることをおすすめします。しっかりとしたヒアリングを行い、遺留分への配慮や2次相続における相続税の対策も提案できるからです。また、特に余命わずかな場合の遺言は意思能力の客観的有無などの観点から公正証遺言をおすすめします。
おわりに
今回取り上げたもの以外でも状況によっては養子縁組や不動産の購入など相続直前にできる対策はまだあります。限られた時間での生前対策は難しいことですが、残された家族に少しでも財産を多く残すためには、「いまからでは何もできない」とあきらめず、できることから実行してききましょう。
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