誰でもわかる簡単解説! 法人税の計算方法
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2015.08.18
法人税の節税対策
誰でもわかる簡単解説! 法人税の計算方法
法人税には「申告納税方式」が採用されています。これは法人が申告書を作成・提出して納税する方式ですが、納める税額を算出するのも法人自身です。
法人の規模や経営状況、税制の内容によって適用される法人税の計算内容は異なるため、納税額を算出する前に、まずは自社がどの条件に当てはまるのか確認する必要があります。
今回は、法人税の計算方法をわかりやすくご紹介します。
<目次>
Contents
法人税の計算方法は意外と単純
さっそく、以下に法人税の計算式を示します。
課税所得金額×法人税率=法人税額
軽減税率や税額控除などの複雑な計算はありますが、計算の基本構造はシンプルです。
ただし、実際の申告書における各種の別表の作成は、どのような規模の会社でもかなりの専門的知識が必要になります。
課税所得について
課税所得とは、課税上の会社の所得のことですが、会社の「利益」とは異なる点に注意しましょう。利益は収益から費用を差し引いたものですが、所得は別表計算を通じて税法独自に計算した金額です。大部分は一致しますが、費用に含まれても損金には含まれない(損金不算入になる)ものや、収益に含まれても益金には含まれないものなど種々のケースがあります。
利益と所得の違いは、コラム「法人税、法人住民税、法人事業税の違い」で詳しくご説明しています。ぜひご覧ください。
法人税率について
基本的に、法人税率は一律税率(一定の比率が適用されること)です。しかし、資本金や課税所得の額によって税率が異なるなど、優遇措置が採られています。
税率や優遇措置については、税制の改正により変更されることが考えられるため、「現行の制度はどうなのか」「将来的にどのような制度となるのか」といったことに気を配る必要があります。
資本金額と課税所得額によって適用される法人税率は異なる
法人税率は税制によって定められているものですが、資本金額や課税所得金額によって差が設けられています。
普通法人(または人格のない社団など)の場合は、以下のようになります。
■普通法人の税率
-
資本金1億円超の法人(および相互会社)
→課税所得×23.9% -
資本金1億円以下の法人(および資本金を有しない法人)
→課税所得の800万円超の部分×23.9%
→課税所得の800万円以下の部分×19%
※平成27年4月1日以降に開始する事業年度に適用される法人税率です。
上記の法人税率はあくまで本則です。本コラムを執筆している段階(2015年7月時点)では、優遇措置として「中小企業者等の法人税率の特例」が適用されています。これは、課税所得金額の800万円以下の部分に対する軽減税率を、本則の19%から15%に引き下げて適用するものです。これを適用した場合、普通法人の税率は以下のようになります。
■普通法人の税率(「中小企業者等の法人税率の特例」を適用した場合)
-
資本金1億円超の法人(および相互会社)
→課税所得×23.9% -
資本金1億円以下の法人(および資本金を有しない法人)
→課税所得の800万円超の部分×23.9%
→課税所得の800万円以下の部分×15%
※平成27年4月1日以降に開始する事業年度に適用される法人税率です。
なお、「中小企業者等の法人税率の特例」の適用は平成29年3月31日までとされていますが、国は引き続き検討を行っているため、期間が延長される可能性もあります。
法人税率は法人の種類によっても変わる
法人税率は資本金や課税所得の金額だけでなく、法人の種類によっても異なる場合があります。
以下の表は、既述の普通法人も含めた、それぞれの法人に適用される税率を示したものです(2015年7月時点)。
法人の種類/資本金額による分類 | 課税所得金額 | 法人税率 | |
---|---|---|---|
など |
|
所得800万円以下の部分 | 15% |
所得800万円超の部分 | 23.9% | ||
|
23.9% | ||
公益法人など |
|
所得800万円以下の部分 | 15% |
所得800万円超の部分 | 23.9% | ||
上記以外 | 所得800万円以下の部分 | 15% | |
所得800万円超の部分 | 19% | ||
協同組合など(※) | 所得800万円以下の部分 | 15% | |
所得800万円超の部分 | 19% |
※特定の協同組合などに対しては、所得の10億円を超える部分に22%の税率が適用されます。
なお、事業年度が1年未満である場合は「800万円×その事業年度の月数÷12」の計算により、課税所得金額が800万円超となるか以下となるかを判断します。
法人税を実際に計算してみよう
ここでは資本金と課税所得金額を定めた4つの法人を例に、それぞれの法人税がいくらかかるのかという問題を出します。実際に計算して確かめてみましょう。
※例に挙げるのは普通法人・人格のない社団などに含まれる法人です。なお、2015年7月時点の税率を適用します。
Q1. 資本金2億5,000万円、課税所得900万円の場合、法人税はいくら?
A. 900万円×23.9%=215.1万円
解説 資本金が1億円を超えているため、課税所得金額にかかわらず税率23.9%が適用されます。
Q2. 資本金2,000万円、課税所得600万円の場合、法人税はいくら?
A. 600万円×15%=90万円
解説 資本金が1億円以下で課税所得金額が800万円以下であるため、軽減税率15%が適用されます。
Q3. 資本金1億7,000万円、課税所得500万円の場合、法人税はいくら?
A. 500万円×23.9%=119.5万円
解説 資本金が1億円を超えているため、課税所得金額にかかわらず税率23.9%が適用されます。
Q4. 資本金5,000万円、課税所得1,200万円の場合、法人税はいくら?
A. 800万円×15%+400万円×23.9万円=215.6万円
解説 資本金が1億円以下で課税所得金額が800万円を超えているため、800万円までについては軽減税率15%が適用され、1,200万円から800万円を差し引いた400万円の部分には、税率23.9%が適用されます。それを合計した金額がこの場合の法人税です。
まとめ
法人税の計算式は単純ですが、中小企業などの場合は軽減税率の適用に注意する必要があります。特例とされている優遇措置がいつまで適用されるものなのか、必ず確認しておきましょう。
また、国は今後も税率の引き下げを目指す方針を示しています。納税による会社の負担を減らす策を講じるためにも、税制に関する情報は必ず押さえておきたいところです。
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