【後編】本当に大丈夫?!相続税の節税のためにアパート・マンション経営を考えている人、必見です!
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2022.05.30
節税
【後編】本当に大丈夫?!相続税の節税のためにアパート・マンション経営を考えている人、必見です!
Contents
アパート経営を考えている方必見の知っておくべき情報
アパート経営って実際どれだけ儲かるんだろう?
毎年どんな経費がかかるんだろう?
不動産投資をするにあたってどういう計算をすればいいんだろう?
後編では、そういった漠然とした不安を少しでも解消していただくために、毎年かかる諸経費やアパート経営のシミュレーション計算をしていきます。
アパート経営を考えている方、必見です!
毎年かかる諸経費
ここではアパートを購入したあとに毎年かかる諸経費について、ご紹介します。
①固定資産税・都市計画税
固定資産税・都市計画税とは、土地や建物などの固定資産に対してかかる税金です。固定資産の所有者が毎年支払うものですので、当然アパート経営者も支払います。
固定資産税・都市計画税の計算は「課税標準額×1.7%」で計算されますが、土地や建物については軽減措置があります。それぞれ計算方法が異なるためここでは割愛しますが、毎年6月に数十万円の納付書が届き、思わず驚いてしまうことも。事前に支払うべきリストとして押さえておくことが必要です。
②管理費
管理費って何でしょうか。
いまでは大家さんが入居者から家賃をわざわざ集金することは殆ど無いと思います。通常は管理会社に集金を代行したり、入居者からのクレーム対応をしてもらいます。管理会社に支払う費用を管理費といいます。どこまで管理を依頼するのかにもよりますが、大体賃料収入の5%から10%ぐらい発生するのが一般的です。毎月決まった期日に管理会社に支払うことになりますので、覚えておきましょう。
③修繕費
アパート経営において修繕費は切っても切れない存在。エアコンやキッチン、浴室・トイレ、クロス張替えなどの室内だけでなく、アパート全体の水道工事や電気工事、外壁などの補修・塗装工事など、多岐にわたって発生する費用になります。
退去者が出た時の原状回復のため、または入居者の満足度を上げるためにも必要不可欠になります。少し多めに見積もるぐらいで正解、本当に急にトラブルが発生しますので、いつでも対応できるよう、賃料収入の1割~2割ぐらいを別口座に移しておくことをお勧めします。
④減価償却費
どこかで聞いたことがあるような…いちばんイメージしにくい費用。そう、それは減価償却費。
でも、シンプルに考えると話は簡単です。
アパートの建物部分について、分割して費用にしているだけですよ。
例えば、1億円の物件のうち建物部分は2000万円です。
建物は50年使えます。
さて、1年あたりいくら費用にすればいいと思いますか?
答えは…2000万円÷50年=40万円。
この場合、毎年40万円を費用にすればいいのです。
実際には、建物の構造や用途によって年数は変わるのですが、まずは減価償却費という言葉に苦手意識を持たず、「減価償却費は費用にすることが出来る」と思って頂ければ大丈夫です。
⑤その他の費用
アパート経営をしていると上記以外にも費用が発生します。
例えば、物件購入のために金融機関からお金を借りた場合には、利息部分を費用にすることが出来ますし、アパート経営を行い賃貸収入を得ると確定申告をしなければならないため、税理士に確定申告を依頼することもあるでしょう。
そのほかにも損害保険料などもあります。
これらの支出も、少し多めに見積もっていた方が良いでしょう。
⑥所得税・住民税
所得税と住民税も聞いたことありますよね。アパート経営は「不動産所得」という所得区分に分類されるのですが、不動産所得の金額が高いほど支払うべき税額が高くなってきます。
所得税については毎年3月15日までに確定申告をして所得税を納付します。
住民税については会社から天引きされている方もいらっしゃいますよね。それ以外の方はご自身で納付するのですが、大体5月ごろにお住まいの市区町村から納付書が届きます。
所得税と住民税、結構びっくりするぐらい高い金額になります。これも可能であれば賃料収入から毎月1割~2割ぐらい別口座に移して、いざ支払うときに困らないようにしておくことをお勧めします!
自分で計算するといろいろ見えてくる!
さて、ここまでアパート経営にかかる経費をそれぞれ見ていきました。
でも、具体的にどれぐらい費用がかかるんだろう?
いくらぐらい儲かるのかな?
利回りはどれぐらいなんだろう?
アパート経営をこれから始めようとする方はなかなかイメージしにくいですよね。
そんな方のために、表をまとめてみました。
不動産は1つとして同じものが存在しないため、個別の事情により計算結果が異なってきます。とはいえ、具体的な数字を見てみないとイメージしにくいですよね。
1億円でアパートを買った人を例に説明していきましょう。
賃料収入として年間864万円入ってくる見込みにしていますが、こちらは空室があることを見込んで計算しています。満室がずっと続く見込みで計算するのは危険ですよ。
そして費用ですが、これも個別事情によって金額が変わってきます。あくまでイメージとして見ていただければと思います。
収入から費用を引いた利益、ここに所得税・住民税がかかります。結構高いですよね。
そして一番見ていただきたいのが、投資の回収についてです。
1億円の物件について、購入時の初期経費を含めると、1億464万円かかりました。
これを毎年の利益で回収しようとすると何年かかるでしょうか?
表を見てみると…31年もかかる計算になります!
な、長いですよね。
でも、こうして自分でシミュレーション計算をしていくと、本当にいろいろ見えてきます。
これからアパート経営を始めようとする人はもちろん、すでにアパート経営を始めている人も一度ご自分の物件について計算してみることを強くお勧めします。
その物件、ニーズはありますか?
シミュレーションをした結果、利回りもよさそうだ、よし買おうかな、と思っている方。
まだ待ってください!
本当にその物件、ニーズはありますか?
ここでいうニーズとは以下の2点です。
①賃貸ニーズ:入居者が入りやすい物件であるか
②売買ニーズ:将来買い手が付きやすい物件であるか
不動産投資はつまるところ、立地が最も重要になります。
そこは駅チカの物件ですか?
駅から遠い場合、近くに学校や病院、大型スーパーなどがありますか?
不動産会社さんのことを悪く言うわけではないですが、あちらも商売なので買ってもらうことが優先になります。ニーズがないなどのネガティブな情報を提示する義務は不動産会社にはなく、その責任を取るのはあくまでも買い手です。
だからこそ、人から言われたことを鵜呑みにしないで、自分で調べることが重要です。
ニーズが本当にあるか、近隣の調査は絶対に必要ですよ。
将来残された家族に迷惑をかけない
ニーズのない物件を将来引き継ぐご家族のことも考えましょう。
そもそも入居者が見つからない物件や売却できないような物件を買えば、処分できないだけでなく毎年維持費もかかり、将来世代が困ることになります。ご自身の代で完結することなら仕方ないかもしれませんが、子供世代にその問題を引き継がせたくはないですよね。
だからこそ、即決は絶対に厳禁。不動産屋さんの話を鵜吞みにすることなく、自分でちゃんと採算を計算してください。難しいようなら専門家の意見を聞きましょう。
また、ご家族ときちんと話し合ってから決断されることをお勧めします。
大家さんは経営者という自覚を持つべし
アパート経営は、文字通り「経営」なのです。
大家さんは経営者なのです。
まだアパート経営を始めていない方は、いったん立ち止まってきちんと調べることを強くお勧めします。人の話を鵜呑みにするのは厳禁です。
もうアパート経営を始めていらっしゃる方は、今一度ご自身の買った物件について、投資の回収という観点から、もう一度見直してみてください。どうしても採算が合わないという場合には売却を検討してみるのも一手かもしれません。
何度も言いますが、大家さんは経営者です。なんとなく大家さんをしているのではなく、利益を得るためにはどうすればいいかを真剣にシミュレーションして、お金が残るための行動をする。それを心がけてください。
今まで見ていただいた通り、アパート経営にはいろんな税金がつきものです。また、税金だけでなく経営という要素、相続という問題を合わせるとより複雑さを増していきます。
一つずつひも解いていくためには、精通した専門家の意見が欠かせません。
アパート経営や相続に強い税理士をお探しでしたら、ぜひ当事務所にご相談ください!
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